2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04607
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土田 隆之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ソリトン / 可積分系 / 逆散乱法 / 離散化 / ラックス対 |
Research Abstract |
多成分ソリトン方程式は,複数の従属変数が結合した形の方程式であることから非線形光学,流体力学,プラズマ物理学といった物理学の諸分野に登場し,自然現象の分析に不可欠な役割を果たすことがよく知られている.本研究では,逆散乱法に基づいたアプローチにより,多成分ソリトン方程式について,これまで他の方法では得られていなかった重要な結果を得ることを目的として,研究を進めてきた.本年度は,スカラー変数とベクトル変数が結合した可積分系の分類を行った.具体的な問題設定としては,(1+1)-次元において,1つのスカラー変数と1つのベクトル変数が結合した,2階,又は3階の非線形発展方程式系について考察した.方程式の形は,(微分)多項式型で,ベクトルからスカラー量を作る時は必ず内積を用いること,ベクトル変数U(x, t)の成分の数Nは任意の自然数であることを仮定した.また,独立変数と従属変数に適当な重みを持たせたとき,方程式の各項がすべて同じ重みを持つことを要請した.これらの条件のもとで,コンピューターを使って,少なくとも1つの高次対称性を持つ系をしらみつぶしに求め,各々の系について,ラックス対,或は線形化変換を求めた.これにより,結合型Burgers方程式,結合型KdV方程式,結合型mKdV方程式,結合型Ibragimov-Shabat方程式などの完全な表を作成するとともに,各系の特徴的な性質を明らかにすることができた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 土田隆之: "Integrable discretizations of derivative nonlinear Schrodinger equations"Journal of Physics A : Mathematical and General. Vol.35,Nom.36. 7827-7847 (2002)
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[Publications] 土田隆之: "スカラー変数とベクトル変数が結合した可積分系の分類"京都大学数理解析研講究録. (発売予定).