2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04643
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 元康 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | フェロモン / 受容体 / 分子生物学 |
Research Abstract |
陸生哺乳動物の多くはニオイ情報の受容のために2つの感覚受容器を備えている。そのうち生殖生理に関わる個体間のコミュニケーションには鋤鼻器と呼ばれるフェロモン受容器官が関与しており、ここに発現するフェロモン受容体がニオイ情報を受容していると想定されている。そこで、本研究ではマウス鋤鼻器のフェロモン応答性を調べた。 前年度までの研究により成雌マウスの鋤鼻器を急性に摘出し、これらの細胞のフェロモン応答を検出する実験系を確立した。そこで、今年度はマウス尿中に含まれている微量の脂溶性成分を用いて鋤鼻器神経細胞のカルシウム応答性を検討したところ、いくつかの成分が神経細胞内のカルシウム濃度の上昇を引き起こすことが明らかとなった。 このような内因性の受容体による細胞応答の記録に並行して、シンドビスウイルスを用いた外来性の遺伝子導入の系を検討した。現在までの結果では、クラゲ由来の蛍光タンパク質であるGFPを指標として神経細胞への遺伝子導入が効率よく行えることを確認しており、さらにいくつかのの受容体遺伝子も同様の方法によって導入されうることを確かめつつある。今後はこの系を用いてニオイ成分に応答する受容体遺伝子を単離する予定である。
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