2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04719
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋富 創 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 経済史 / イギリス / 第一次世界大戦 / 経済政策 / 通商政策 / 西洋史 / 西洋経済史 / イギリス史 |
Research Abstract |
本年度は,『社会経済史学』に,拙稿「第一次世界大戦期における連合国・帝国会議とイギリスの通商政策構想」を再投稿するに当たり,二次文献においてこのテーマの研究史を再び整理し,英語文献を中心に書籍の収集・参照に当たった.去年度に投稿した論文と最も異なる点は,1916年前半期における「連合国経済会議」を検討する際に,フランス商務省の動向を視野に入れることによって,イギリス政府の独自な構想を浮き彫りにしたということである.これは簡潔に述べるならば,フランス側が,対独経済防衛・独露経済同盟阻止を図るために,積極的に「連合国経済ブロック構想」を主唱したのに対して,イギリス側は,植民地・中立国との通商関係を重視する見地から,そのような構想には与せずに,可能な限りそれを有名無実化して,独自の利害を貫徹させようとしたということである.更に,1917年前半期における「イギリス帝国会議」の動向も,「連合国経済ブロック構想」に与しないというコンテクストに則って解釈することが出来る.本論文はこれらの点を明らかにすべく,1916年前半期及び1917年前半期における両会議とイギリス政府の構想との関係について検討したものである.なお,本論文は,既に社会経済史学会から掲載決定の通知を得ているので,掲載号は未定であるが将来『社会経済史学』に掲載される予定である.
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Research Products
(1 results)