2002 Fiscal Year Annual Research Report
労働世界における青年期構造の変容に関する社会学的研究
Project/Area Number |
01J04820
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高瀬 雅弘 東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 青少年 / 労働市場 / 職業指導 / 社会移動 / 児童労働 / 都市問題 / 社会史 / 初等後教育 |
Research Abstract |
1.今年度の研究実施概況 (1)少年労働関連史資料の収集・整理と分析(平成14年6月〜9月) 企画院が1941年に刊行した『少年労働に関する文献抄録(邦文の部)』所載の雑誌文献・諸調査資料の収集・整理を実施した。そのうえで、工場法成立をめぐる帝国議会での議論(帝国議会議事録)を中心とした分析を行ない、職場における保護=工場法から労働市場における保護=少年職業紹介への展開と、相互の関連性を明らかにした。 (2)史資料収集調査(平成14年5月・8月) 本年度は、青少年労働市場の中でもとくに商業労働に注目し、準戦時体制の中での商店法実施の少年労働への影響を捉えることを目的とし、名古屋市・京都市・大阪市における少年職業紹介事業に関する資料、ならびに各市における商業労働の動向に関する文献資料・調査資料・新聞記事を重点的に収集した。 (3)研究成果の発表(平成14年9月) 工場法から少年職業紹介へという少年労働保護の展開に関する研究成果の報告を第53回日本教育社会学会(於広島大学)で行なった。また同研究の成果を『東京大学大学院教育学研究科紀要』第42巻で発表した。 2.研究の進捗状況 今年度は、青少年を保護する法制度の展開に重点を置いた分析を進め、工場法と少年職業紹介、さらには工場法と商店法という戦間期の少年労働保護の全体的構図を描きつつある。来年度は、青少年労働者の生活構造に注目し、保護と生活形成との関連づけを行ないながら、研究を総括していく予定である。
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Research Products
(1 results)