2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J05037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 敦彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 映画によるオペラ演出 / 振付家による映画制作 / ダンスによるアンガージュマン / 振付によるイメージ生成 / 映画的記憶 / 舞台における映像の使用 / ダンスとドキュメンタリー / 演劇によるアンガージュマン |
Research Abstract |
映画が、演劇やオペラなど様々を舞台芸術とどのような関係を持ち、その関係の中からどのように映画の独自性を確立してきたか、また、舞台芸術との間でどのような相互作用が起きたか。平成14年度は、この問題を、主として欧米の映画作品と舞台芸術について、歴史的な展開と構造的な特性の両面から考察した。また、本研究はその対象を映画に限定しては成立しないので、映画が関係を持った舞台芸術の実態を、表現構造・様式・文化的意味などについて、舞台・映像・言説などの多面的な資料体の構成とその分析によって明らかにするよう試みた。オペラの新演出やモダンダンスといった、現代ヨーロッパの舞台芸術の最前衛とも言うべき分野が映画芸術と切り結ぶ関係を重点的に取り上げ、その成果の一部は、舞踊専門誌「ダンスマガジン」に発表した2本の諭考、「音楽と舞踊の幻惑的な婚姻ローザス結成20周年記念公演」(2003年8月号)、「ダンスによるアンガージュマン ケースマイケルのソロ『ワンス』」(2002年4月号)に結実した。これらの論考は、いずれも映画と舞台の双方で活躍する振付家=演出家、アンヌ・テレサ・ド・ケースマイケルをテーマとしており、映画、ダンス、オペラなど複数のジャンルを横断する脱=領域的な芸術創造を分析している。 文献資料や映像資料など多様な資料を収集・編集するため、平成十四年度の科学研究費補助金でコンピュータ及びその関連機器を購入し、上記の論文と資料の作成に大いに活用できた。
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