2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J05106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桜井 信哉 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 金銀相場変動 / 十組問屋 / 下し代物 / 和算書 / 貨幣流通 / 変体漢文 / N-Gram / 数式処理ソフト |
Research Abstract |
前年から引き続き、近世の金銀相場変動が呉服問屋に与えた影響に関する論文を修正した。金銀相場の変動が商人に有利であったとする通説を覆す本稿は、そのわかりにくさが弱点であったが、今年、幕末の商人の具体的事例を組み込んだことにより説得性が増し、その結果、掲載決定にこぎつけた。 また、和算と貨幣に関する研究を前年に続き継続した。この研究の意図は、和算書に見られる内容から当時の貨幣流通史を推測するという、数学史と貨幣史の学際的研究を目指すものであるが、ちょうど、大阪経済大学が発行する『経済史研究』の第8号に論文発表を依頼されたので、そこに成果をまとめて発表する予定である。 そのほか、今年は新たに計量経済学的手法を経済史研究に取り入れることに取り組み始めた。理論的理解を深めるだけではなく、実践的理解を深めることにも勤め、具体的には数式処理ソフトを用いてゲーム理論の問題を扱った。数式処理ソフトは高度な数学的研究に欠かせないので、プログラミングの手法などをマスターして、応用の仕方をホームページとして公表した。 また、経済史の史料に現れる語法を計量的側面から分析する研究に取り組み始めた。国文学でも用いられ始めたN-Gramという統計的手法は経済史の史料の分析研究に欠かせないと判明し、この手法を生かした研究に取り組んだ。
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Research Products
(2 results)