2002 Fiscal Year Annual Research Report
惑星アルベドの決定メカニズムに関する数値地球流体力学的研究
Project/Area Number |
01J05113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 成司 東京大学, 気候システム研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 数値地球流体力学 / 惑星アルベド / 大気大循環 / 気候システム / 放射 |
Research Abstract |
前年度に必要性が明らかとなった汎用放射計算コードの開発のため、本年度においては以下の2つについて研究をおこなった. 1.吸収係数の計算コード開発 吸収係数の計算は放射輸送の基本であり、放射場を計算するために欠かすことのできない基礎となるものである.残念ながら、これまでに開発された計算コードは特に現在の地球大気の吸収係数を精度よくかつ効率的に計算することを目的としているため、大気の物理・化学状態が現在と大きく変わるような本研究の問題に適用することが難しい.そこで、特に重要な温室効果気体である水蒸気と二酸化炭素について、様々な条件下で精度よく吸収係数を計算するためのコードを開発した.このコードでは、実験室などで求められる気体の吸収線のデータから、分子の熱運動・衝突などで引き起こされる吸収線の拡がりを考慮して各波長における吸収係数の大きさが計算される. 2.ライン・バイ・ライン法による放射計算コードの開発 大気大循環モデルに組み込まれる放射計算コードでは、計算効率の高いことが絶対的に必要な条件となっている.一般には、いくつかの典型的な場合について精密な(計算効率は高くない)計算をおこない、その結果を参考にしながら計算効率の高い放射計算コードを開発することがおこなわれる,この基本となる精度の高い放射計算をおこなうためのコードとして、吸収線の1本1本を分解して計算するライン・バイ・ライン法による放射計算コードの開発をおこなった.今後はこの放射計算コードで計算される結果に基づいて、大気大循環モデルでの使用に耐える計算効率の高い放射計算コードを開発する計画である.
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