2002 Fiscal Year Annual Research Report
bZIP型転写因子RSGとその相互作用因子によるジベレリン内生量制御機構の解析
Project/Area Number |
01J05124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深澤 壽太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 転写因子 / 細胞伸長 / 標的遺伝子 / ジベレリン / 転写制御 |
Research Abstract |
RSGは、タバコより単離されたbZIP型転写因子であり、ドミナントネガティブ型を発現させRSGの機能を抑制した形質転換タパコは細胞伸長が阻害され矮化した。形質転換タバコでは、ジベレリンの内生量が低下しており、これが矮化の主要な原因である事が明らかとなった。RSGは、ジベレリンの生合成を制御する転写因子と考えられた。現在までにアラビドピシスにおいて、ジベレリン生合成酵素遺伝子は、CPS, KS, ent-kaurene oxidase (KO), ent-kaurenoic acid oxidase (KAO), GA20-oxidase, GA 3β-hydroxylaseの全6つの遺伝子が単離同定されている。RSGの標的遺伝子の候補としてこれら6つのジベレリン生合成遺伝子が考えられた。今年度、申請者は、さらに、タバコで単離されている2つのジベレリン生合成遺伝子GA 20-oxidase, GA3β-hydroxylaseに加え、残りの4つの生合成遺伝子NtCPS, NtKS, NtKO, NtKAOを単離し、ドミナントネガティブ型RSGを発現させた形質転換タバコとコントロール植物における発現量をRT-PCRにより比較した。その結果、形質転換タバコにおいて、NtKO遺伝子の発現量が減少している事を明らかにした。また、GA内生量の低下した植物では、タバコでは、GA20-oxidase, GA 3β-hydroxylaseの発現量がフィードバック制御により、上昇することが知られているが、ドミナントネガティブ型RSGを発現させた形質転換タバコでは、GA内生量の低下が低下しているにもかかわらずGA 20-oxidase遺伝子の発現量の上昇は認められなかったことから、RSGのフィードバック制御への関与も示唆された。さらにRSGのNtKO及びGA 20-oxidase遺伝子の発現制御機構を調べる為、各遺伝子のプロモーターを単離し解析を行った。その結果、RSGは、NtKOプロモーターの少なくとも2箇所の領域に特異的に結合している事が明らかとなった。以上より、全6つのジベレリン生合成酵素遺伝子において、NtKO遺伝子がRSGの標的遺伝子である事を同定した。
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Research Products
(1 results)