2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J05207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 康則 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 銀河 / 中間赤外線 / ISO / 星質量 / ナンバーカウント / データ解析 / 質量関数 / SIRTF / SST |
Research Abstract |
本年8月末に次期スペース赤外線衛星であるSIRTF(改めSpitzer Space Telescope : SST)が打ち上げられ、12月には本観測が始まった。これから貴重なデータが山のように生産されるはずだが、それまでの最も重要なデータはISOが得たものである。私はその中で中間赤外線(6.7ミクロン)で最も検出限界の深いデータの総まとめを行った。革新的なデータ解析とその結果得られた最も深い銀河のナンバーカウントを公表した。また、解析したデータ自体もISOのwebで公開している。次の論文では6.7ミクロン天体を統計的優位度の観点から2つに分け、やや統計の劣る検出天体を用いずとも、以下の結果を導き出せることを示した。可視から中間赤外線に渡るカラーで6.7ミクロン天体は3種に分けることができた。すなわち、もはや星生成を行っていない近傍の早期型銀河、その前駆体となる高赤方偏移銀河、そして星生成の只中にある銀河である。それらの比は1:1:1であったが、統計の劣る暗い天体だけに限ると、高赤方偏移の早期型銀河の前駆体となる銀河が多数を占めた。6.7ミクロンは、高赤方偏移天体に対して銀河内の星質量の良き指標となる静止系の近赤外光となることから、不定性を抑えた星質量の議論が可能である。結果は大きな星質量を持った銀河の数が高赤方偏移ではやや近傍のものより小さく、比較的最近大質量銀河を生成する何らかの機構が働いていたことを示唆するものとなった。これについては論文に先んじて国内学会でも報告した。発見した高赤方偏移天体のうち、半分がX線、サブミリ波、センチ波で何らかの活動性を示していた。これらの天体は可視域で赤い色を示し、可視からサブミリ波の放射はX線やセンチ波より強く、ホスト銀河の寄与が大きいと考えられ、また、星質量も大きかった。これらの興味深い結果については、メキシコの国際学会で報告し、SSTに次期観測提案として応募した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yasunori Sato: "Stellar Mass of Faint Mid-Infrared Galaxies"The Mass of Galaxies at Low and High Redshift. XXII. 238-239 (2003)
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[Publications] Y.Sato et al.: "A deep 6.7μm survey in the SSA13 field with ISO"Astronomy & Astrophysics. 405. 833-849 (2003)
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[Publications] Yasunori Sato et al.: "Faint 6.7 Micron Galaxies and Their Contributions to the Stellar Mass Density in the Universe"The Astronomical Journal. 127. 1285-1304 (2004)
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[Publications] Y.Sato: "X-ray Sources and a Radio Source in a Faint Mid-Infrared Sample"Multiwavelength AGN Surveys. (印刷中). (2004)