2002 Fiscal Year Annual Research Report
レセプターのコンホメーション変化に基づく電気化学センサーの開発
Project/Area Number |
01J05211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分析化学 / 電気化学 / 化学センサー / 表面化学 / 自己集合単分子膜 / 分子認識 / バイオセンサー |
Research Abstract |
【DNA検出センサーの感度向上】 前回の実績報告書で報告したように,申請者が開発したDNA検出センサーは特殊な試薬を用いない簡便な方法であると同時に,特定の塩基配列を選択的に検出するという能力を持ったセンサーであることが分かった.前年度申請者は,以前用いていた水酸基を持つチオールではなくアミノ基を持ったチオールを電極表面に固定することにより,ターゲットDNAのハイブリッド形成の前後における電極表面上の電荷の変化を増大させることに成功し,結果このDNA検出センサーの検出下限を10^<-6>Mから5.1×10^<-10>Mへと向上させることができた.本年度,プローブとして用いるペプチド核酸(PNA)の長さを10merから13merへとより長くすることで,検出下限を更にfemtomolar(10^<-15>M)レベルにまで下げることに成功した. PNAプローブおよび8-amino-1-octanethiol(AOT)の混合単分子膜を研磨した金電極表面に修飾し,[Ru(NH_3)_6]^<3+>をマーカーとして含むpH7.0のリン酸緩衝溶液中にて測定を行った.13merのターゲットDNAに対する濃度依存性を観測したところ,約10^<-15>Mより応答が観測された.これは以前より4桁以上低い検出下限である.これは,13merという長いPNA/DNAハイブリッドを形成させことで,電極表面上の電荷の変化をより大きくすることができたため,およびPNA/DNA間の結合定数がより大きくなったためであると考えることができる.一方,3塩基変異および1塩基変異を持つDNAに対しても同様の測定を行ったが,応答は観測されなかった.また,サンプルとして用いたDNAの非特異的な吸着は,前回と比べて減少していた.これは,13merというより長いプローブを用いることで,DNAの電極表面への接近を立体的に防ぐことができたためではないかと考えている.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Aoki, Y.Umezawa: "Ion-channel sensors for electrochemical detection of DNA based on self-assembled PNA monolayers"Nucleic Acids Res. Supplement. 2. 131-132 (2002)
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[Publications] H.Aoki, K.Hasegawa, K.Tohda, Y.Umezawa: "Voltammetric detection of inorganic phosphate using ion-channel sensors with self-assembled monolayers of a hydrogen bond-forming receptor"Biosens. & Bioelectron.. 18. 261-267 (2003)