2002 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン・ゲルマニウム系半導体ヘテロ構造の電気伝導特性と素子応用に関する研究
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01J05294
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
入沢 寿史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分子線エピタキシー / シリコン・ゲルマニウム / 半導体歪みヘテロ構造 / 高移動度トランジスタ / 2次元キャリアガス |
Research Abstract |
これまでに、分子線エピタキシー装置を用いて、Si基板上に高品質な歪みGeチャネル構造を作製し、室温で3000cm^2/Vsという超高正孔移動度を達成していたが、本構造を用いたトランジスタを作製したところ、基板側を流れる大きなリーク電流が存在し、良好なデバイス特性は得られなかった。このリーク電流の起源を突き止めたところ、SiGe緩和バッファ全体を流れる電流であることが分かったので、その抑制をSiGe緩和バッファ中にn型ドーピングを行うことにより試みた。その結果、良好なデバイス動作を示すトランジスタの作製が可能となり、室温実効正孔移動度2700cm^2/Vsが達成された。この値は、現在使用されているSip型トランジスタの値の約30倍にも相当する画期的な値であり、本構造が集積回路に応用されれば、飛躍的な性能向上が実現されることが実証された。 また、歪みGe中の電気伝導特性をより詳細に調べるため、磁気輸送特性評価を行った。シュブニコフ・ドハース(SdH)振動の温度依存性から正孔の有効質量を導出したところ、バルクGeの値(0.28m_0)から大幅に減少すること、また、価電子帯の非放物線性のため、キャリア濃度の増大とともに大幅に増大することが分かった。本研究で得られた値は、キャリア濃度5.7x10^<11>cm^<-2>で(0.087±0.005)m_0、2.1x10^<12>cm^<-2>で(0.19±0.01)m_0であった。これらの値は、上述の超高移動度を説明するのに十分小さな値である。一方、低温における移動度はこの結果に反し、キャリア濃度の増大とともに増大した。これは、低温においてはクーロン散乱のスクリーニング効果が非常に強いことを意味している。実際、SdH振動の磁場依存性から、低温においてはドーピング層に存在する不純物による散乱が支配的であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshifumi Irisawa: "Ultrahigh room-temperature hole Hall and effective mobility in Si_<0.3>Ge_<0.7>/Ge/Si_<0.3>Ge_<0.7> heterostructures"Applied Physics Letters. 81. 847-849 (2002)
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[Publications] Toshifumi Irisawa: "Hole density dependence of effective mass, mobility and transport time in strained Ge channel modulation-doped heterostructures"Applied Physics Letters. 82. 1425-1427 (2003)
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[Publications] Toshifumi Irisawa: "Growth of SiGe/Ge/SiGe heterostructures with ultrahigh hole mobility and their device application"Journal of Crystal Growth. (2003)