2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J05439
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保寺 俊朗 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 初期視覚 / コントラスト / 非古典的受容野 / 空間視 / 運動視 |
Research Abstract |
網膜上のある位置に提示した刺激に対する課題の成績は,他の位置に提示した刺激の影響を強く受ける.そこで本実験では,周囲の位置に提示した運動要素が中央に提示した運動要素のコントラスト弁別閾に及ぼす影響を測定した.その結果,基底コントラストの増加に伴い弁別閾は低下しその後上昇した.また周辺に提示したフランク刺激は基底コントラストが低い場合に最も大きな効果をもち,基底コントラストが増加するにつれその効果は減少した. 閾近傍では中心と周辺の運動方向が同じ場合と反対の場合で大きな違いが見られたが,閾上ではこれらの効果に大きな違いは見られなかった.さらに静止刺激を用いた場合との比較も行った.これらの結果から初期視覚系の入出力特性が,周囲に提示したさまざまな特徴をもつ刺激からどのように影響を受けるのかを解明した. またラテラルマスキングを用いて時間周波数が受容野間の相互作用を媒介する局所構造に及ぼす影響を検討した.そこで,周辺刺激を局所方位と平行方向に配置した場合と直交方向に配置した場合の効果を測定し比較した.静止刺激を用いた場合は,平行方向に配置した場合のほうが直交方向に配置した場合と比較して2倍の促進効果が見られた.しかし運動刺激を用いた場合は,平行方向に配置した場合と直交方向に配置した場合で同等の促進効果が見られた. 種々の実験からこれらの現象は,時間的,空間的な不確定性の低下や,非線形応答特性をもつ単一の検出器だけでは説明できないことがわかった.その結果,時間周波数は受容野間を結ぶ局所構造に大きく影響することがわかった.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kubodera, Toshio: "Non-classical receptive field structure for motion mechanisms revealed by lateral masking"Journal of Vision. 2. 139 (2002)
-
[Publications] 久保寺俊朗: "周辺刺激が中心刺激のコントラスト弁別閾に及ぼす影響"日本基礎心理学会第21回大会プログラム. 63 (2002)