2002 Fiscal Year Annual Research Report
両生類の初期発生における形態形成に関する新規遺伝子の探索と解析
Project/Area Number |
01J05559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小沼 泰子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 書記発生 / ツメガエル / ノーダル関連遺伝子 / Xnr5 / Xnr6 / cleavage mutant / TGF-beta |
Research Abstract |
脊椎動物の発生過程におけるオーガナイザー形成のメカニズムを明らかにすることを目的とし、研究材料としてアフリカツメガエルの初期胚を用いて、胚の中で背側化シグナルを受け一番最初に転写され、かつ強いオーガナイザー様の活性を持つノーダル関連遺伝子Xnr5とXnr6に着目し、これらの遺伝子がオーガナイザー形成因子の実体として働いているとの仮定に基づき、これらの遺伝子のより詳細な機能解析実験を行った。 これまでにXnr5とXnr6の機能を阻害すると考えられる改変遺伝子cleavage mutantを作成し、これらを用いることによって、脊椎動物の発生過程において、オーガナイザー形成、内胚葉および中胚葉の形成がノーダル関連遺伝子Xnr5とXnr6の機能に依存しているという新しいモデルが提唱できた。 そこで、この改変遺伝子の初期胚への影響をマイクロインジェクション法、RT-PCR法、ウェスタンブロッティング法、等を用い詳しく調べることにより、この改変遺伝子がXnr5とXnr6以外のTGF-betaタンパク質とも相互作用することが明らかになり、このことによって、Xnr5とXnr6が、その構造から予想されこれまでに証明されてきた機能の他にも、より複雑で多彩な機能を有しているという新しい知見を打ち出すことが出来た。この新規の機能についてはそのメカニズムの解析とともに現在、論文を作成し発生学の国際専門誌に投稿中である。また、これらの新たに得られた知見は、第35回日本発生生物学会大会において発表した。
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