2002 Fiscal Year Annual Research Report
心臓興奮光学マッピングハイブリッドシステムの開発および不整脈時膜電位解析
Project/Area Number |
01J05670
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三嶋 晶 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 心臓不整脈 / 光学マッピングシステム / 心筋細胞膜活動電位 / 活動電位フィードバック刺激 |
Research Abstract |
(1)複数台の高速度デジタルビデオによるマッピングシステムの製作 心室頻拍・細動の成因とされるスパイラルリエントリは,中心位置が一定せず,回転しながら旋回するようなさまよい運動を起こすことが知られている.従来のカメラを用いた光学マッピングシステムは一方向からのマッピングを行っていたため,不整脈中の細胞膜興奮伝播を観測しても,興奮波を短時間しか追従できないことがあった. 本システムは2台の高速度デジタルカメラにより観察した個々の活動電位マップ合成する手法により,正面部のみならず側壁も観測領域に含めた,1.4倍の広領域において心筋細胞膜活動電位をマッピングすることを可能とした.その結果,Figureof8型や異なる方向から進行してきた複数波面が衝突する様子を観測することが可能となり,興奮様式の停止機序を詳細に分類することが可能となった. (2)膜活動電位リアルタイム解析システム 活動電位計測中に,光学計測の特徴である再分極面を時刻基点とし,細胞膜の興奮からの回復程度を考慮して刺激印加が可能な,活動電位フィードバック刺激システムを開発した.同システムは活動電位の回復仮説に基づいた回復曲線をDynamic pacing下に数秒〜数分で検出が可能であり,動的な刺激及び記録・解析システムを統合した環境の開発によって,除細動刺激シミュレーションの検討が可能となった.また,抗不整脈投与後の回復特性変化など,同一エピソードに頻繁な解析が必要とされる電気生理学実験に貢献するものといえる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 佐久間一郎, 三嶋晶他: "高輝度発光ダイオードと高速度ビデオカメラを用いる心臓膜電位光マッピングシステム"心臓. 33. 439-448 (2001)
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[Publications] 本荘晴朗他: "心室スパイラルリエントリーの成立機構と薬物作用:膜電位光学マッピングによる解析"心臓. 33. 449-445 (2001)
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[Publications] N Motoki et al.: "High-resolution optical mapping system with high-speed digital video camera"Environmental Medicine. 45. 103-105 (2001)
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[Publications] N Motoki et al.: "Na+ channel blockades causes a prolongation of electrical diastole during spiral-type reentry in the ventricle"Environmental Medicine. 46. 103-105 (2002)