2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J05683
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小谷 真也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 藍藻溶解細菌 / 抗藍藻物質 / Paenibacillus sp. / Pseudomonas sp. / 1-methyl-β-carboline / premetin A / YM-28160 |
Research Abstract |
2000年1月から2001年3月にかけて上野不忍池で表層水を採取し、プラーク形成能による藍藻溶解細菌のスクリーニングを行ったところ、29株の細菌が得られた。16S rDNA配列の解析を行ったところ、15株がPseudomonas属、7株がBacillus属、3株がArthrobacter属、2株がStreptomyces属に含まれる細菌であることが明らかとなった。また、残りの2株の内、1株がCytophaga-Flavobacterium groupに含まれる細菌で、もう1株がPaenibacillus属に近い細菌であることが明らかとなった。 得られた菌株の内、強い活性を示したPseudomonas sp. K44-1株を大量培養し、抗藍藻物質の単離を試みた。凍結乾燥菌体をメタノールで抽出し、溶媒分画、各種クロマトグラフィーにより活性成分を単離し、NMR等の各種スペクトルデータの解析により構造を決定した。その結果、K44-1株の産生する抗藍藻物質は既知化合物harmane(1-methyl-β-carboline)であることが確認された。ペーパーディスク法による抗藍藻活性試験の結果、harmaneは藍藻Anabaena cylindrica(NIES-19)に対して10μg/diskで抗藍藻を示した。 また、Paenibacillus sp. S4株に関してもK44-1株と同様の手法を用いて抗藍藻物質の単離および構造決定を試みた。その結果、M1株の産生する抗藍藻物質は、ペプチド性既知抗生物質であるpermetin AおよびYM-28160であることが確認された。ペーパーディスク法による抗藍藻活性試験の結果、permetin AおよびYM-28160は藍藻Anabaena cylindrica(NIES-19)に対し抗藍藻を示した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shinya Kodani, Akiko Imoto, Atsushi Mitsutani, Masahiro Murakami: "Isolation and identification of the antialgal compound, harmane (1-methyl-β-carboline), produced by the algicidal bacterium, Pseudomonas sp. K44-1"Journal of Applied Phycology. 14. 109-114 (2002)