2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシントンネル顕微鏡を用いたトンネルギャップの直視観察
Project/Area Number |
01J05798
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 信 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクロSTM / マイクロマシン / 透過型電子顕微鏡 / 局所高電界場 / カーボングラファイト / インパクトアクチュエータ / 粗動機構 |
Research Abstract |
これまでの研究で、マイクロSTMに要求される性能、機能について明らかにし、その要求を満足するデバイスを作製するための設計指針を示し、設計指針で得られた結果をもとにプロセスを決定した。実際に1000倍以上もサイズの違う構造の集積化プロセスにより、トンネル探針を同一構造に集積化することに成功し、デバイスを作製した。そして、作製したデバイスの評価を行い、設計値との比較検討を行った。 この結果から、マイクロSTMに必要な条件(構造の剛性、アクチュエータの発生力)を再検討し、設計及び試作を行った。作製したトンネル探針を用いてカーボングラファイの原子像の観察を試みたところ、原子分解能で像を高品質で観測することができた。このことから、作製したトンネル探針はトンネル電流検出用の探針として利用可能であることを確かめた。また、同一チップ内に対向電極を設けたデパイスをTEM内で動作させトンネル電流を制御し、トンネルギャップを一定に保つ制御が可能であることを示した。実験から得た結果により、より高剛性の構造を持つマイクロSTMの必要性を導き出し、設計及び製作を行い、機械的な特性の評価を行った。電子顕微鏡内でのトンネルギャップ観測において問題となったトンネル探針の重なりを回避するためにトンネル探針を上下に駆動するアクチュエータの開発を行った。さらに、慣性駆動型のマイクロSTM用粗動機構を提案し製作および評価を行い、粗動機構として使えることが分かった。これらの結果から本研究で提案している粗動機構に用いるインパクトアクチュエータを有したマイクロSTMシステムが実現可能であることが明らかになった。 さらに、別方向に動くアクチュエータを集積し、より自由度の高いデバイスを開発した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Makoto Mita: "A Micromachined Impact Microactuator Drive by Electrostatic Force"IEEE/ASME Journal of Microelectromechanical systems. 12・1. 37 (2003)
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[Publications] Makoto Mita: "An Electrostatic 2-Dimensional Micro-Gripper for Nano Structure"Proceedings of Transducers. (発表予定). (2003)