2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規複合電子放出顕微鏡放出の確立とそれを用いた表面メゾスコピック領域の化学現象観察
Project/Area Number |
01J05885
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高草木 達 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手
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Keywords | 光電子顕微鏡 / 低速電子顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / 表面化学 / 触媒 / 酸化物 / 二酸化チタン / 金属微粒子 |
Research Abstract |
東京大学大学院理学系研究科所属の複合電子放出顕微鏡を基本として、これまでに整備して高輝度化した電子放出顕微鏡システムを用いて以下の研究を行った。また原子・分子スケールでの観察を行うために走査トンネル顕微鏡も併用した。 1.Au-Ag/Si(100)上でのAg酸化に伴う非線形動的化学現象 メゾスコピツク表面動的化学現象に関して、シリコン基板上にパターニングして蒸着したAg薄膜表面の酸化過程(酸素圧〜10^<-2>Pa)を473-573Kでその場追跡したところ、原子状吸着酸素種の他に、メタノール部分酸化反応に活性とされる酸素種が構造欠陥で生成後、ドメインを形成しながら成長していく様子が観察された。こうした構造欠陥等の不均一領域での特異な反応性を原子レベルで理解するために、走査トンネル顕微鏡を用いた局所表面構造および動的現象の観察を行った。その結果、多原子欠陥的な非常に配布飽和度が高い表面サイトが、反応開始点となっていることが示唆された。 2.Pt/TiO_2(110)表面上でのナノ金属粒子間の非線形動的現象 上記のような非線形化学現象が触媒活性、選択性等に与える影響を原子レベルで理解するために、TiO_2(110)表面上にPt粒子を導入した不均一モデル表面を構築し、その表面上での吸着分子の動的挙動を走査トンネル顕微鏡を用いて調べた。この表面をメタノールに露出するとTiO_2(110)表面のみに露出し場合には観察されなかった、メタノールの解離により生成したメトキシが観察された。室温および昇温時のメトキシの挙動について、吸着種間相互作用(衝突による反応、反発)や吸着種が金属微粒子に到達した場合の動き(反応による脱離、拡散の方向の変化)等に着目して研究を行い、粒子サイズによる反応性の違いや粒子分布が、メトキシの動きや反応の活性・選択性にどういった影響を与えるかを詳細に検討した。
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Research Products
(1 results)