2002 Fiscal Year Annual Research Report
光学赤外線観測による早期型銀河の形成・進化過程の研究
Project/Area Number |
01J05970
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仲田 史明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 銀河団 / 早期型銀河 / 銀河進化 / 銀河形成 / 銀河の星生成率 |
Research Abstract |
同定された銀河の空間分布を調べたところ、既知の2個の銀河団の他に7個の銀河団候補が存在することが分かった。今回見つけられた構造は、より近傍の銀河団で見られる構造に比べて密集度が小さく分布がまばらであった。つまり、銀河のクラスタリングの進化を直接見ることができたことになる。 また、今回のサンプルには、銀河団とフィールド両環境に存在する銀河が含まれているので、銀河の進化過程が両環境で異なるかどうか調べた。その結果、以下のことが分かった。 (1)z=1.2の遠方でも銀河の性質は環境に依存し、特に小質量銀河の方が、大質量銀河に比べて環境依存性が大きい。 (2)z=1.2では、銀河団/銀河群環境でも銀河の星形成率は、z<0.1にあるフィールド銀河の約10倍もある。 (3)銀河形成は大質量銀河から始まり、小質量銀河の形成は後で進むという「ダウン・サイジング効果」は、環境に依存しない普遍的な現象である。銀河特性が環境に依存する原因については、高密度環境下での銀河内ガスのはぎとりなどが議論されている。この場合、小質量銀河は大質量銀河に比べて重力ポテンシャルが小さく、ガスのはぎとりが起きやすいと考えられるので、環境依存性は小質量銀河の方が大きいという今回の結果と一致しているといえる。
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Research Products
(1 results)