2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横溝 勇次 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 写像類群 / ジョンソン準同型写像 |
Research Abstract |
連結な境界を持つ種数gの曲面Σ_<g,1>の写像類群をM_<g,1>とすると、曲面Σ_<g,1>の基本群π_1Σ_<g,1>の降中心列π_1Σ_<g,1>=Γ_0⊃Γ_1⊃Γ_2⊃【triple bond】により部分群の列M_<g,1>=M_<g,1>(0)⊃M_<g,1>(1)⊃M_<g,1>(2)⊃【triple bond】が定まる。この部分群M_<g,1>(k)の上で定義される第kジョンソン準同型写像T_kは、ある自由アーベル群に値をとるので、M_<g,1>(k)のアーベル化の商を与える。M_<g,1>(k)のアーベル化の構造はk=1についてはジョンソンが決定しているが、k≧2については未解決である。ImT^^〜_kより精密な情報を与えるM_<g,1>(k)のアーベル商は、第2k-1ジョンソン準同型写像T_<2k-1>のM_<g,1>全体への拡張ρ_<2k-1>を部分群M_<g,1>(k)に制限したもの、及び第kジョンソン準同型写像の森田による改良T^^〜_kから、それぞれ与えられることが知られていたが、これらの関係、とくにT^^〜_kが元のT_kに比べてどの程度改良されているか、即ち、還元写像ImT^^〜_k→ImT_kの核の大きさ、またその核の構造を研究した。 まず、群のホモロジーの還元定理により、H_3(N_k)は捩れ係数1次ホモロジーH_1(N_k;Γ^<ab>_k)に同型であるが、T^^〜_kの値をN_k上のΓ^<ab>_k係数の1サイクルによって具体的に記述し、還元写像ImT^^〜_k→ImT_kがこの係数Γ^<ab>_kのΓ_k/Γ_<k+1>への還元によって得られることを示した。また、井草とオーによって示されたH_3(N_k)の構造、及び準同型写像H_3(N_<k+1>)→H_3(N_k)に関する性質を用いて、還元写像ImT^^〜_k→ImT_kの核の構造を調べた。結果として、T^^〜_kの与えるM_<g,1>(k)の情報はρ_<2k-1>の制限の与える情報を全て含み、且つこれらの核が一致することを示した。
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