2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06096
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
虎石 貴 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 機能性粘土鉱物 / ハイドロタルサイト / 収着 / 放射性ヨウ素 / 分子軌道法 / フーリエ変換赤外分光法 / ランタニド / アクチニド |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、構造内陰イオンとしてCO_3^<2->を含むハイドロタルサイト(HTCO_3)およびNO_3^-を含むハイドロタルサイト(HTNO_3)という2種類の固相を用い、それぞれの固相に対するIO_3^-の収着機構を解明した。特に本年度は分光による実験的手法に加え、分子軌道法にもとづく量子化学計算による結晶内収着化学種の構造決定を主に行った。その結果、HTNO_3に対する収着は層間OH基との交換を伴うものではない、静電的な相互作用が支配的となる交換反応であることを明らかとしたほか、IOIO_3^-が副座配位で層間水酸基と配位していることや、水和水を伴なわない内圏型の収着機構であることを明らかにした。さらに計算された得られた結晶構造から、収着時の対象構造の歪みが赤外分光で観察されたピーク形状の変化の原因となっていることを明らかにした。上記の計算結果は昨年度までに得られていた実験結果と非常に合致するものとなっている。さらに実環境中での応用をふまえ、地下水環境中での放射性核種の評価の上でIO_3^-とともに重要となる陰イオン化学種であるランタニド/アクチニド-有機配位子錯体との相互作用に関する基礎的データ取得を始めており、現在までにハイドロタルサイトの存在条件下における化学種の決定やその構造の同定を終えている。収着化学種は主に加水分解生成物の複核錯体であることや、強く負に帯電していることが明らかになっており、ハイドロタルサイト中に強く保持されることが示唆されている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Takashi Toraishi, Shinya Nagasaki, Satoru Tanaka: "Adsorption behavior of 10_3^-by CO_3^<2-> and NO_3^--hydrotalcite"Applied Cray Science. 22. 17-23 (2002)
-
[Publications] Takashi Toraishi, Shinya Nagasaki, Satoru Tanaka: "Uptake mechanism of IO_3^-to NO_3^--hydrotalcite"Radiochimica Acta. 90. 671-675 (2002)