2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 浩樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 表面反応 / 分子線散乱実験 / 量子分子動力学法 |
Research Abstract |
気体-固体界面における分子・原子の挙動を分子線散乱実験及び量子分子動力学数値計算により解析することを目的として研究を行った. まず,超高真空下で行われる分子線散乱実験において,時間測定精度の向上のため,分子線源周りの時間測定部の改良を行った.これにより,時間測定による誤差が定量的に評価できるようになった.また,二原子分子気体である窒素の散乱分布の計測を,入射分子の速度ベクトルと表面の法線ベクトルが作る平面内のIn-planeのみならずそれ以外の面内であるOut-of-planeに対しても行った.そして,ヘリウムでシードすることにより流速が上がることの効果や表面温度の影響,入射角による影響を解析した.その結果,理論から予測される流速がほぼ得られており,測定の信頼性の向上が確認できた. 数値計算に関しては,まず,量子分子動力学法による解析結果をマクロスケールの流動解析に用いることを考え,気体分子間の振動緩和/励起衝突断面積に対するモデル化を行った.その結果モデルが非常に良く量子分子動力学法による解析結果を再現することが確認でき,マクロスケールの解析において,計算負荷をかけることなく,詳細な物理に基づいた解析をできるようになった.更に,気体-固体界面における分子・原子の挙動を解析するために,固体分子を古典的に取り扱い,気体分子の振動運動のみを量子力学により解析する二原子分子の量子分子動力学法の手法を確立した.そして,その手法の検証及び計算条件などの検討を行い,マクロスケールの流動解析に適用可能なモデルの構築に対する準備を行った.
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