2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉良 拡 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞骨格 / 管状要素 / 二次細胞壁 / GFP融合遺伝子 / 細胞内極性 |
Research Abstract |
管状要素分化過程におけるアクチン繊維と微小管の構造的関係を詳細に追跡することを目的として、GFPの蛍光色の異なるバリアントであるCFPやYFPの下流に、マウスのアクチン結合タンパク質の一種であるtalinや、マウスの微小管結合タンパク質の一種であるMAP4をつなげたコンストラクトを作成した。これらのコンストラクトを金粒子にコーティングし、パーティクルボンバードメントにより、ヒャクニチソウ葉肉細胞に導入したところ、管状要素に分化する細胞内のアクチン繊維と微小管2つの細胞骨格系を、細胞が生きたまま二重標識することに成功した。 二次壁がすでに肥厚しはじめていると考えられる、アクチン繊維がパッチ状構造をとっている細胞の細胞骨格系を観察したところ、パッチ状構造が成熟し、二次壁肥厚が進んでいると考えれる部分では、微小管の太い束がパッチ状構造の間に認められた。パッチ状構造が発達途中である部分では、大部分の微小管が細胞長軸に垂直に配向しているものの、厳密にそろっているわけではなく、太い束も形成していなかった。 管状要素が分化し始めるころに、アクチン繊維の比較的太い束が、細胞長軸に垂直に配向しているものが見られた。この構造は、中空の環が連なるような構造をとっていた。 WGAレクチンによる染色とあわせて、観察結果を綜合すると、二次壁肥厚の過程には、(1)アクチン繊維の中空の環に沿って、ヘミセルロースなどの細胞壁成分が沈着する段階と、(2)アクチン繊維のパッチ状構造の間に形成された微小管の太い束に沿って、セルロース微繊維が沈着し、二次壁が発達する段階の、二つの段階があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)