2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉良 拡 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞骨格 / 管状要素 / 二次細胞壁 / GFP融合遺伝子 / 細胞内極性 |
Research Abstract |
1)管状要素分化過程で肥厚する二次細胞壁を明確に標識し、二次壁肥厚と細胞骨格の構造との関係を詳細に調べるため、ローダミン標識したWGAレクチンとGFP融合タンパク質による多重染色を行なった。細かいアクチン繊維が細胞表層で網目状構造をとっている細胞において、細胞長軸に対して垂直な、WGAで標識される模様が観察された。この結果から、二次壁パターンはアクチン繊維がパッチ状構造をとる前に、すでに決定されている可能性が考えられた。 (1)ローダミンWGAの染色は、およそ2時間という速いスピードで細胞全体に広がる。 (2)染色の強い部分が、細胞の片側にかたよっている場合が多い。 (3)比較的早い段階で、すでに分化するほとんどの細胞において、二次壁成分の沈着が始まっている。 などの観察結果を考え合わせると、アクチン繊維のパッチ状構造が形成されるよりも前に、すでに二次壁パターンの決定、およびヘミセルロース成分の沈着が始まっていることになる。 2)引き続きCFPとYFPを用いてアクチン繊維・微小管の二重標識を試みた。アクチン繊維がパッチ状構造をとっている時期では、微小管の太い束がパッチ状構造の間に認められた。また、一つの細胞内においても、各部の二次壁の成熟の度合いにより、細胞骨格の配向が異なっていることが分かった。さらに、分化の進んだ細胞では、二次壁の直下、パッチ状構造の間に、微小管の太い繊維が残っているだけとなっていた。 GFPやそのバリアント、蛍光レクチンなどを用いた解析から、管状要素分化における細胞骨格構造の詳細な関係、肉眼ではとらえることのできないごく初期の細胞壁成分の沈着との関係が次第に明らかになってきた。
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Research Products
(1 results)