2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江副 祐一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | X線 / 活動銀河中心核 / 銀河 / 時間変動 / Structure Function法 / X線光学系 / キャピラリプレート / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
本研究は、活動銀河中心核(AGN)の長期にわたるX線時間変動から独自に開発した方法で中心ブラックホール質量を推定することを目的としている。ブラックホールの質量は系の性質を知るために欠かせないパラメータである。Structure Function法と我々が名づけた方法を用いることで、従来よりはるかに多くの暗いAGNの質量推定が可能になった。本年度、ドイツのROSAT衛星の公開データを用いて解析した3つのAGNの質量推定の結果を論文にまとめ投稿・受理された。また、アメリカのChandra衛星にすでに採択されていた観測が行われ、2002年度末よりデータ解析をはじめている。解析した結果は日本および海外の研究会で平成15年度に随時、発表予定である。 一方で、広い視野をもち一度に多くのAGNの時間変動を観測できるような観測装置の開発として、キャピラリプレートの光学系としての開発を昨年度に引き続き行った。本年度は、昨年度の英レスター大学で行ったモンテカルロ法を用いた計算機シミュレーションを続け、球面型キャピラリプレートの性能評価を行った。例えば、X線の全天モニターに用いた場合、従来より一桁以上軽くかつ一桁以上感度のよいものが作れる。また、焦点距離を短くし、衛星用にコンパクトな光学系を作るため、多段にキャピラリプレートを重ねた光学系の計算機による評価も行った。内容の一部は、NASDA、理化学研究所、大阪大学で開かれたゼミおよび2002年の物理学会秋季年会で口頭発表を行った。また宇宙科学研究所で開催された宇宙科学シンポジウムでポスター発表を行った。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yu-ichiro Ezoe, Naoko Iyomoto, Kazuo Makishima, Gunter Hasinger: "Long-Term X-Ray Variability of Quasars in the Lockman Hole Field Observed with ROSAT"Publications of the Astronomical Society of Japan. 54,6. 981 (2002)