2002 Fiscal Year Annual Research Report
固相の変形性を考慮した部分溶融系の示す物性量の研究
Project/Area Number |
01J06275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高嶋 晋一郎 東京大学, 地震研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 部分溶融系 / 固液分離 / 火山学 |
Research Abstract |
次の二つの知見が得られた. 1 均質な浸透流が流れの局在化したチャンネル流に進化するメカニズム 2 内部構造が変化する固液混合系の浸透率 1に関して,ゲル+粘性流体系でRayleigh-Taylor-Instability実験を行った.固体相割合が大きい所(約70%〜90%)では均質な浸透流という形態で液体が移動する.固体相割合が比較的小さくなる(約55%〜70%)と,初めは均質浸透流的だが,ある領域に流れが集中する(流れの局在化したチャンネル流)という現象が見られた.その場観察により,固体相割合に不均質があることで固体相にかかる力が不均質になり,固体相同士が相対運動を始めることが流れの局在化,変形の局在化をもたらすことがわかった.PIV (Particle Image Velocimetry)を用いた解析によって,周りから流れの大きい領域に液体が集められることがわかった.中央海嶺下の領域はマントル対流の流れ場がもたらす応力を受けている.その領域にかかる応力がcriticalな状況にあれば実験室に見られるような流れの局在化が現実世界でも起こると考えられる. 2に関して,ゲル+粘性流体系で浸透率測定を行った.固体相割合が比較的小さいと,液体の流れ様式は先のチャンネル流的なものになった.固体割合が大きい場合は均質浸透流として液体は移動した.均質浸透流の浸透率を大きい液体割合側に外挿し,それとチャンネル流の場合の浸透率を比較したところ,チャンネル流的な流れの輸送効率の方が有意に大きい事がわかった.
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