2003 Fiscal Year Annual Research Report
超対称性理論における軽いスカラー場の宇宙物理における効果
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01J06298
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 優成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Affleck-Dine / 暗黒物質 / WMAP / BBN / Leptogenesis / Higgsino / Wino |
Research Abstract |
前年にひきつづき、超対称標準模型に存在する平坦方向を利用したAffleck-Dine Baryogenesisについて研究した。これは、quarkの超対称対であるscalar quark(squark)を利用したBaryogenesisであるが、squarkの崩壊が遅い為に、超対称粒子のrelic abundanceを大きく変える。これがこれまで考えられてこなかったほどの大きな相互作用を持つ粒子(Higgsino or Wino)を暗黒物質として予言することを私は2001年度に指摘していた。最近、WMAPという衛星を用いた測定により、現在宇宙に存在する暗黒物質の量等について正確なdataが利用可能になり、それらを用いて、今回はより精密な解析を行なった。dataから許されるparameter領域において、様々な暗黒物質サーチの実験における検出率を計算した。この研究にもとづく論文はすでにacceptされ現在印刷中である。 更に、WMAPの観測は初期宇宙の元素合成理論(BBN)の正しさも再確認するものとなったが、BBNは1〜10^5secにおける宇宙の状態に非常に敏感な為、初期宇宙の理論模型に非常に大きな制限を与える。この制限を利用して、Affleck-Dineと並んで、宇宙の物質の有力な生成気機構である、Leptogenesisの予言を詳しく研究した。BBNは初期宇宙に存在する粒子の崩壊モードを厳しく制限する為に、Leptogenesisを可能にするには超対称標準模型の粒子の質量について厳しい制限を得ることができた。これを利用すれば、2007年度以降に運転予定の加速機実験(LHC)において、有望な物質生成機構の一つであるLeptogenesisを検証することができる。これについての論文は既に雑誌に掲載されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Fujii, M.Ibe, T.Yanagida: "Upper Bound on Gluino mass from Thermal Leptogenesis"Phys.Lett.B. 579. 6-12 (2004)
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[Publications] M.Fujii, M.Ibe, T.Yanagida: "Thermal Leptogenesis and Gauge Mediation"Phys.Rev.D. 69. 015006(1)-015006(7) (2004)
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[Publications] M.Fujii, M.Ibe: "Neutralino Dark Matter from MSSM Flat Directions in light of WMAP result"Phys.Rev.D. 印刷中. (2004)