2002 Fiscal Year Annual Research Report
KIFsの生体内での動態と機能のトランスジェニックマウスによる解析
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01J06302
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黄 穎泉 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | KIF17 / 学習、記憶 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
神経細胞においてタンパク質の多くは細胞体において合成され、その後機能を果たす局所に運ばれなければならない。キネシン類似蛋白群分子(KIF)は微小管をレールとしてATPを加水分解しながら神経細胞内において機能的な分子を輸送することにより基本的な役割を担っている。近年、KIFが神経細胞内でグルタミン酸受容体のサブユニットを輸送することが分った。グルタミン酸受容体は記憶の基本的な機能の一つとされるシナプスの可塑性において重要な役割を担っていることが分っている。 KIF17は神経細胞の樹状突起にグルタミン酸受容体の一つであるN-methyl-D-aspartate受容体のサブユニットNR2Bを運んでいる。KIF17は相同2量体を形成し、微小管上を順方向に動き、scaffolding蛋白を介してモーター分子が荷物と特異的に結合する機構が示唆されている。 日本学術振興会の寛容なご支援を得てわたしは以上のことに関して学術雑誌誌上においてPNAS論文を発表した。脳におけるKIF17の機能の解析を進めるために私はGFPで標識されたKIF17を強制発現しているトランスジェニックマウスを作製した。その結果、それらのトランスジェニックマウスは古典的な学習、記憶の行動解析試験において野生種の遺伝型のマウスに比べ有為に優位の成績を収めることが分った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Wong RW, Setou M, Teng J, Takei Y, Hirokawa N: "Motor protein KIF17 enhance learning and memory in transgenic mice model"P.NATL.ACAD.SCI.USA. 99(22). 14500-14505 (2002)
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[Publications] Wong RW, Setou M, Hirokawa N: "Turning the current up on AMPA receptor trafficking"TRENDS CELL BIOL. 11(8). 320 (2001)