2003 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞のにおけるOct-3/4の機能制御因子の探索
Project/Area Number |
01J06303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤木 紀之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ES細胞 / 自己複製 / Oct-3 / 4 / DAX-1 / STAT3 |
Research Abstract |
マウスES細胞はLIF存在下で自己複製する。その自己複製には、STAT3の活性化及びOct-3/4の発現が必須である。本研究ではES細胞の自己複製の分子機構を解明する目的で、Oct-3/4と結合する因子をyeast two-hybrid法により検索した。その結果、Oct-3/4と結合する因子として核内ホルモン受容体に属する転写因子DAX-1を得た。この両者の結合は共免疫沈降法からも確認された。またDAX-1の発現がLIFにより維持されることから、その下流の転写因子であるSTAT3とOct-3/4のどちらで制御されているか検討した。まず、STAT3のドミナントネガティブ変異体をES細胞に過剰発現させると、DAX-1 mRNAの発現量が減少した。またSTAT3ER ES細胞株で4HT除去によるSTAT3の不活性化によっても発現量が減少した。次にテトラサイクリン(Tet)の添加によりOct-3/4の発現が停止するZHBTc4 ES細胞株では、Tet添加によりDAX-1 mRNAの発現は速やかに停止し、その後Tetを除去し再びOct-3/4の発現を回復させるとDAX-1の発現も回復することを見出した。これはDAX-1の遺伝子発現が、STAT3とOct-3/4の両者により調節されていることを示唆している。このことより、2つの転写因子の下流に存在するDAX-1が、自己複製に重要な役割を担っている可能性が考えられる。
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