2002 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞の未分化状態を維持する転写因子Oct-3/4の機能制御因子の探索
Project/Area Number |
01J06303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤木 紀之 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ES細胞 / 自己複製 / Oct-3 / 4 / Zfp57 / STAT3 |
Research Abstract |
マウスES細胞はLIF存在下で自己複製する。その自己複製には、STAT3の活性化及びOct-3/4の発現が必須である。ES細胞の自己複製の分子機構を解明するため、これまでにDNA chip解析から分化に伴って発現量が減少する遺伝子としてZfp57を得て、その未分化特異的な発現をノーザン及びウエスタンブロット解析で確認している。本研究では、Zfp57がLIFの下流に存在する2つの転写因子、STAT3とOct-3/4のうちどちらの下流であるかを検討した。STAT3のドミナントネガティブ変異体をES細胞に過剰発現させると、Zfp57 mRNAの発現量が減少した。一方、テトラサイクリンの添加によりOct-3/4の発現調節が可能なES細胞株を用い、Oct-3/4の発現を停止させても、Zfp57 mRNAの発現量に変化は認められなかった。これらの結果はZfp57がSTAT3の下流遺伝子であり、Oct-3/4のそれではないことを示す。一方我々は、Zfp57とOct-3/4が互いに相互作用することを既に見出し、さらにOct-3/4の標的遺伝子Rex-1のプロモーター上にあるOct-3/4結合配列を用いたレポーターアッセイからOct-3/4の転写活性化能がZfp57によって亢進されることを確認している。これらのことから、Zfp57はSTAT3の下流でOct-3/4と協同的にES細胞の自己複製に関与していると考えられる。現在、Zfp57欠損ES細胞を作成して、ES細胞の自己複製におけるZfp57の役割を検討している。
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Research Products
(1 results)