2002 Fiscal Year Annual Research Report
安定写像を用いた大域的特異性と多様体のトポロジーの関連性の研究
Project/Area Number |
01J06329
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 稔 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヴァシリエヴ型不変量 / 安定写像 / 折り目写像 / 特異ファイバー |
Research Abstract |
今年度は以下の事柄について研究を行った. 局所1次ヴァシリエヴ型不変量として得られるアイソトピー不変量を幾つか導くという研究を行なった.具体的には次の結果を得た. 向き付け可能な3次元閉多様体から平面への写像空間を考える.まず特異ファイバーの位相形と特異値集合での特異ファイバーの分裂・融合の挙動を見る事で同値関係を導入し,余次元1,2の不安定写像を分類した.さらにこれらの不安定写像の隣接関係を調べる事で局所1次ヴァシリエヴ型不変量として得られる安定写像のアイソトピー不変量を幾つか求めた.さらに得られた全ての不変量に幾何的意味付けを行なった. 次に向き付け可能な3次元閉多様体から平面への折り目写像全体からなる空間を考え,同様にして折り目写像の局所1次ヴァシリエヴ型不変量を幾つか得た.これらの不変量の幾何的意味付けを行なう事で,今回得られた各局所1次ヴァシリエヴ型不変量は折り目写像のアイソトピー不変量である事を示した.系として,折り目写像全体の空間の連結成分に対する不変量を得,特別な折り目写像の場合にはその不変量が完全不変量になる事を示した. 以上の結果は,7月のブラジルでの国際研究集会,「7th Workshop on Real and Complex Singularities」,8月のサンパウロ大学特異点セミナー,9月のポーランドでの研究集会,「Polish-Japanese Singularity Theory Working Days」,12月の鹿児島大学での研究集会「実・複素特異点のトポロジーII」で発表した. また昨年研究した内容である,向き付け可能な閉曲面から平面への安定写像がいつ3次元空間への埋め込みリフトを持つかという研究において,必要十分条件と主張していた物は単に必要条件であった事が分かった.必要十分条件を与えるためには,平面曲線族が安定写像の特異値集合としてどの様に実現されているかという情報を加味しないといけない事が分かった.
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Research Products
(1 results)