2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川北 真之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 因子収縮写像 / 極小モデル理論 / 3次元代数多様体 / general elephant / 端末特異点 / 食い違い係数 |
Research Abstract |
3次元因子収縮写像の研究を完成させた。f:Y→Xを3次元因子収縮写像とする。例外因子Eの収縮先は曲線または点となるが、曲線の場合、fは収縮先の情報から一意に定まる。従って収縮先が点となる場合が本質的である。その場合P=f(E)は端末特異点であるが、3次元の場合はそうした特異点はGorenstein端末特異点の巡回群による商特異点として得られる。PがGorenstein特異点である場合の自分の研究成果を発展させ、Pが一般の点である場合のfの分類を完成させた。得られた3次元の明示的結果は、それ自身意味を持つばかりでなく、高次元代数多様体の研究において中心的役割を担う極小モデル理論の把握を強固にする点でも有効である。 Pでの指数nは一般の値を取り得るから、fの食い違い係数a/nはもはや整数とは限らない。一般の写像を扱う難しさはこの点に凝縮される。まずaとnは自明でない公約数を持ち得る。このときY上の因子で、fに関して数値的に自明であるが線形的に自明ではない因子が存在し、fの数値的解析を困難とする。しかし私はこの性質を逆手に取って、まさにこの因子によって、写像fの被服fが、端末特異点しか持たない多様体の圏の中で構成されることに着目した。得られたfとfの数値的情報を比較することによって、aとnが公約数を持つ可能性を全て決定した。 もう一つの難点はY上に「隠された」特異点が出現する点である。これはnon-Gorenstein特異点でありながら、Riemann--Roch型公式への特異点としての貢献を持たないものである。この特異点の出現する可能性とその性質の解析によって、general elephants予想を任意の3次元因子収縮写像に対して証明した。Riemann--Roch型公式から得られたfの数値的分類とgeneral elephants予想を組み合わせて、fの完全な分類が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masayuiki Kawakita: "General elephants of three-fold divisorial contractions"Journal of the American Mathematical Society. 16. 331-362 (2003)
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[Publications] 川北真之: "General elephants of three-fold divisorial contractions"第48回代数学シンポジウム報告集. 63-68 (2003)