2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06346
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝良 健史 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | C^*環 / 位相力学系 / グラフ / 位相グラフ / グラフ環 / 同相写像C^*環 / K群 / 核型 |
Research Abstract |
私は,位相グラフと呼ばれるものを定義し,それからC^*環を構成する方法を提案した.位相グラフは普通のグラフに位相構造を入れたものとも,位相力学系を不可逆化,多価化したものとも考えられる.そして,私の考案した位相グラフからC^*環を作る構成方法は,従来よく研究されてきたグラフ環や同相写像C^*環の構成方法を自然に拡張したものになっている.私は位相グラフから作られるC^*環はいつでも核型であることを示した.また,C^*環の分類理論において重要な役割を演じる普遍係数定理が私の構成したC^*環に対して成り立つことを示した.さらに,私の構成したC^*環のK群を計算する上で重要な6項完全系列を求めることに成功した. 私は,位相グラフを作る様々な方法を考案した.その結果,位相グラフから作られるC^*環はグラフ環や同相写像C^*環だけでなく,その他の核型C^*環の例を多く含んでいることが分かった.グラフ環や同相写像C^*環に対して知られている.ゲージ不変一意性定理とCuntz-Krieger一意性定理という2つの定理を位相グラフから作られるC^*環に拡張することに成功した.また,位相グラフから作られるC^*環のイデアル構造をほぼ決定することに成功した.その結果として,位相グラフから作られるC^*環がいつ単純,または原始的になるかをグラフの言葉で書き下すことができた.これは,グラフ環や同相写像C^*環に対する結果を自然に含んでいるものになっている. 現在,上の構成方法を非可換化することを試みており,ある程度の結果を得ることに成功した.この方向の研究に関しては来年度以降も続けていく予定である.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 勝良 健史: "The ideal structures of crossed products of Cuntz algebras by quasi-free actions of abelian groups"Canadian Journal of Mathematics. (発表予定).
-
[Publications] 勝良 健史: "AF-embeddability of crossed products of Cuntz algebras"Journal of Functional Analysis. 196. 427-442 (2002)
-
[Publications] 勝良 健史: "On crossed products of the Cuntz algebra O_∞ by quasi-free actions of abelian groups"Proceedings of the OAMP Conference. (発表予定).