2002 Fiscal Year Annual Research Report
CR16によるN-WASPを介した神経円錐とシナプス機能の制御機構の解明
Project/Area Number |
01J06368
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂西 義史 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ノックアウトマウス / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
まず、前年までに作製した、マウスCR16遺伝子をβ-ガラクトシダーゼ遺伝子に置換するノックアウトベクターをマウスES細胞にエレクトロポレーション法で遺伝子導入した。この細胞をネオマイシン耐性遺伝子用いて薬剤選択し、組み換えベクターがES細胞ゲノムに組み込まれた細胞を得た。得られた200個の細胞群をサザンプロット法でスクリーニングした結果、4つの細胞クローンで正しくCR16遺伝子がゲノムに組み込まれたことを確認した。このES細胞をマウス胚盤胞にインジェクションし、キメラマウス(オス)を得た。キメラマウスを野生型B6マウス(メス)と交配させ、これまでに延べ200匹以上の仔を得た。その結果、一匹のみCR16KOヘテロマウス(オス)得た。一般に考えられるよりもヘテロマウスが得られる確率が低いと思われたが、CR16遺伝子のノックアウトによる影響なのか、それとも胚盤胞にインジェクションしたES細胞の状態がよくなかったのかは現在のところ不明である。このCR16ノックアウトヘテロマウス(オス)は外見上また行動上の特異な変化は認められず、また生殖能力がありB6野生型マウス(メス)との交配で、メンデル側にしたがってヘテロマウスの仔(オスならびにメス)を得ることができる。これまでに9匹(オス5匹・メス4匹)のヘテロマウスを得ており、これらを交配する事でCR16ノックアウトホモマウスを得ることができる見込みである。 次に、CR16遺伝子を神経細胞に導入することと組み替えCR16タンパク質を得ることを目的として、CR16遺伝子を発現するアデノウイルスベクターを作製し、それを完成させた。
|