2002 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素クラスターをファーマコフォアとする生理活性化合物の創製
Project/Area Number |
01J06513
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉見 友弘 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ホウ素クラスター / カルボラン / 疎水性相互作用 / 核内受容体 / エストロゲン / SERM |
Research Abstract |
ホウ素クラスター化合物であるカルボラン(dicarba-closo-dodecaborane)を疎水性ファーマコフォアとして持つ核内受容体リガンドを中心とした新規生理活性化合物の創製を目的として、本年度の研究によって以下のような成果を得た。 1.前年度までに合成したカルボランを疎水性の部分構造に持つ種々のエストロゲンアンタゴニストの中で、ビス(ヒドロキシフェニル)カルボラン構造を有するBE360は、マウスを用いた試験において組織選択的な活性を示す興味深い化合物であった。そこで、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)を目指して、BE360の構造に基づき、カルボランに結合する側鎖の長さや水素結合性官能基の位置等を種々変換した化合物の設計と合成を行った。 2.上記により合成した化合物について、エストロゲン受容体(ERα)への結合能を調べ、その構造と結合能との関係を明らかにした。今後、これらの化合物について細胞を用いた試験等で更なる活性の検討を行うことにより、その構造活性相関を明らかにし、選択的エストロゲン受容体モジュレーターとしての構造の最適化を図ることができると考えられる。
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