2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06601
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
金敷 大之 関西大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 行為事象記憶 / 被験者実演課題 / 順向干渉 / 出力制御 / 課題への従事 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて,本年度上半期においては,新たな研究方法の開発,および予備的研究が行われた。これは,再生テストにおいて,実演した項目に対する被験者の反応と,項目の反復および推論に基づく被験者の反応とを分離して指標とする試みである。予備的研究には,被験者として大学生,高齢者が参加し,順向干渉事態において検索の出力制御を行った。その結果,大学生の場合,先行研究と同様に順向干渉が見られたのに対して,高齢者の場合には順向干渉が見られない傾向があった。内観報告や観察に基づいて,大学生の場合,記憶成績,課題への従事,そして記憶を支えるメカニズムの三者が検索の出力制御において関連づけられているのに対して,高齢者の場合には,課題への従事という点で関連づけが困難になりうることが考察された。これらの結果および考察は,教育科学セミナリー『行為事象記憶の自由再生に関する観察』において公表される。 今年度下半期においては,大学生を被験者として,新たな研究方法に依拠して実証的な実験が行われた。これは,予備的研究に基づいて,検索課題を独立変数として順向干渉が生起するかどうかを明らかにするものであった。さらに,出力制御が対人関係の文脈において行われ,発達すると個人的に行われるようになるという仮説を検討するために,就学前児童およびその母親を対象に,協同想起に基づく出力制御の観察を行い,現在も継続中である。
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Research Products
(1 results)