2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J06699
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
家田 章正 宇宙科学研究所, 太陽系プラズマ研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | オーロラ / オーロラ爆発 / サブストーム / 磁気圏 / リコネクション / 磁気再結合 / プラズマ / プラズマシート |
Research Abstract |
申請者の研究目的は、地球電磁圏サブストームの因果関係を解明することである。サブストームは、オーロラ爆発時に地球電磁圏で広範に観測される様々な電磁気擾乱の総称である。サブストームをトリガーするメカニズムとして有力な候補は二つあり、磁気圏尾部における磁気リコネクションおよびその結果として生じる高速プラズマ流と、磁気再結合領域よりも地球に近い領域での電流消失である。 申請者は特に、磁気圏尾部における高速プラズマ流と、極域電離圏におけるオーロラ爆発の、空間および時間的な対応を解明することにより、両者の因果関係を理解しようとしている。そのために、まず、オーロラ爆発のイベントを大量に同定することが必要である。申請者は人工衛星からのオーロラ写真を用いて、1400例のオーロラ爆発を集めた。次に、オーロラ爆発時に、磁気圏尾部において、高速プラズマ流の観測される位置を調べた。その結果、オーロラ爆発が観測された経度と、高速プラズマ流が観測された経度に、高い相関があることが見出された。 しかし、申請者は同時に、地球向きの高速プラズマ流よりも、反地球向きの高速プラズマ流に、オーロラ爆発との高い相関が見られることに気付いた。この原因を解明するため、これらの高速流の、惑星間空間磁場および地磁気活動度に対する関係を調べた。その結果、反地球向きの高速流は、地磁気活動と相関が高いこと、一方、地球向きの高速流は、惑星間空間磁場との相関が高いことが見出された。これらの結果は、反地球向きの高速流が、オーロラ爆発を含む地磁気擾乱と関係が高いことに対し、地球向きの高速流はこれらの擾乱と必ずしも関係のないことを示している。そのような地球向き高速流は、磁気圏遠尾部における磁気再結合により生じていると思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Moretto, T., M.Hesse, A.Yahnin, A.Ieda, D.Man, J.F.Watermann: "Magnetospheric signature of an ionospheric traveling convection vortex event"Journal of geophysical research. 107. 10.1029 2001JA000049 (2002)
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[Publications] Slavin, JA, D.H.Fairfield, R.P.Lepping, M.Hesse, A.Ieda, E.Tanskanen, N.Ostgaard, T.Mukai, T.Nagai, H.J.Singer, P.R.Sutcliffe: "Simultaneous observations of earthward flow burst and plasmoid ejection during magnetospheric substorms"Journal of geophysical research. 107. 10.1029 2000JA003501 (2002)