2002 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データを用いた植生純一次生産量の推定モデルの研究
Project/Area Number |
01J06877
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
古海 忍 奈良女子大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光合成曲線 / 光合成量子効率 / パターン展開法 / 樹冠内放射伝達モデル / 光合成モデル |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、植生樹冠構造が植生全体の光学的特性や光合成に与える影響評価のため、室内における鉢植え植物の反射率、光合成測定を行った。 植生樹冠内の放射伝達モデルや光合成モデルにより、前年度の実測データも含めて実測データの評価を行うと同時に、植物樹冠の反射率から樹冠全体の光合成を推定する手法を提案した。この結果を応用し、人工衛星データから得られる植生反射率より、純一次生産量推定を行う。この地上実測データにもとづいて構築した、多波長反射率データによる純一次生産量推定アルゴリズムに関しては学術論文としてまとめ、現在投稿中である。 また、上記の地上実測によるモデルの提案と同時に、人工衛星データを用いて実際に純一次生産量推定を行い、実測データとの比較・検討を行った。モンゴルにおける地上実測データとLandsat/ETMデータから推定された純一次生産量との比較を行った結果、かなり整合性のよい結果が得られた。また、現在は、紀伊半島の杉林において、実測データを取得しつつあり、また、人工衛星データによる推定を進めている。 今年度は、全球の多様な植生に対して人工衛星を用いた推定結果と実測データとの比較・検討を行い、推定モデルの精度を検討した上で、精度向上を図る予定である。最終的には、ADEOS-II/GLIデータを用いた全球純一次生産量分布図を作成する。
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