2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J07038
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
岡 浩一朗 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京老人総合研究所・運動科学研究グループ, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高齢者 / 身体活動・運動 / 規定要因 / 長期縦断研究 / 加速度計 |
Research Abstract |
昨年同様,2002年6月下旬〜7月上旬にかけて,群馬県吾妻郡中之条町において,65歳以上の高齢者約2000名(寝たきり老人や痴呆老人を除く全高齢者)を対象に,身体活動・運動が心身の健康に及ぼす影響と身体活動・運動習慣を規定する要因を明らかにするための総合健康調査を実施した.本年はこの大規模長期縦断研究の2年目にあたる. この研究は,日常生活での身体活動が睡眠・覚醒リズム(長期間バイオリズム)あるいはDNA(末梢血リンパ球のテロメア長)に及ぼす影響や,運動習慣と骨粗鬆症,肥満,生活習慣病関連遺伝子多型との関係などを検討する,広範にわたる総合的評価を行う学際的プロジェクトである. 申請者が主に担当しているのは,身体活動・運動の習慣化を規定している要因を解明する研究である.総合健康調査実施時点から,調査対象となった2000名のうち,約300名の高齢者が身体活動・運動の実施度を客観的に測定する機器(加速度計)を継続装着しており,月ごとにそのデータ収集を行うために現在も中之条町へ出張している. 本年度の研究実施状況として,我が国の高齢者における身体活動・運動の実施状況を明らかにするために,調査票によって測定された身体活動度および運動習慣の分析を行うとともに,加速度計によって測定された身体活動量を解析した.その結果,多くの高齢者が運動することに対して無関心であるとともに,客観的に測定された身体活動量には季節変動があることが証明された.さらに,身体活動・運動の習慣化を規定している個人的要因(セルフ・エフィカシー)の影響を明らかにした知見を論文(Am J Health Promot)として投稿している. 現在は,社会的(ソーシャル・サポート,医師の勧め),環境的要因(自宅周辺の環境)が高齢者の身体活動・運動に及ぼす影響の程度を分析している段階である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岡 浩一朗: "運動行動の変容段階尺度の信頼性および妥当性-中年者を対象にした検討-"健康支援(日本健康支援学会編集). 5(1). 15-22 (2003)
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[Publications] 岡 浩一朗, 平井 啓, 堤 俊彦: "中年者における身体不活動を規定する心理的要因-運動に関する意思決定のバランス-"行動医学研究(日本行動医学会編集). 9(1). 23-30 (2003)
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[Publications] 岡 浩一朗: "中年者における運動行動の変容段階と運動セルフ・エフィカシーの関係"日本公衆衛生雑誌(日本公衆衛生学会編集). 50(3)(印刷中). (2003)