2003 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨内骨化における血管侵入と基質分解の制御機構の解明
Project/Area Number |
01J07086
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 朝代 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | TGF-β / 神経堤細胞 / 骨芽細胞 / 骨 / ノックアウト / FGFR2 / 歯 / LEF-1 |
Research Abstract |
1、TGF-βによる骨芽細胞分化の制御機構 トランスフォーミング成長因子β(TGF-β)は頭蓋の形態形成における重要な制御因子の一つであるが、TGF-βシグナリングがどのように頭部神経堤細胞(CNC細胞)由来の間葉細胞の運命を決定するかという機能的意義は未だ明らかにされていない。この問題を解明するため我々は、Tgfbr2^<fl/fl>;Wnt1-Creコンディショナルノックアウトマウスを作成した。これらのマウスは100%が前頭骨を含めいくつかの頭蓋骨が欠損するという表現形を示す。TGF-βシグナリングの欠如はCNC由来間葉細胞から頭蓋骨を形成する骨芽細胞への増殖分化の過程において何らかの重要な働きを持つと考えられたため、in situ hybridizationを用いて前頭骨原器における骨芽細胞めマーカー遺伝子の発現の検出を試みた。骨芽細胞の早期の分化マーカーであるRunx2、オステオネクチン、type I collagenの発現に大きな差は認められなかったが、より後期のマーカーであるOsterix、オステオポンチン、BSP、オステオカルシンの発現はノックアウト群において抑制されていた。次に遺伝子アレイ解析によって、ワイルドタイプとノックアウトマウスでの発現に大きな差が認められたいくつかの遺伝子をTGF-βシグナリングの下流遺伝子の候補としin situ hybridizationによって解析したところ、Fgfr 2の発現が抑制されていることが明らかになった。(GRC, Craniofacial morphogenesis & Tissue Regeneration. 2004にて発表) 2、歯胚形成におけるLEF-1の必要性 LEF-1はβカテニンによって制御されるWntシグナリングの細胞特異的な転写因子である。Two-component transgenic systemを用いてLef-1ノックアウトマウスにおける早期頭顔面形態形成期のCNC細胞の遊走パターンを解析したところ、Lef-1はCNC細胞の遊走には関与しないことがわかった。Lef-1ノックアウトマウスでは蕾期以降歯胚の成長が進行しないが、CNC細胞由来の間葉細胞の凝集に異常はみられない。このことからLef-1がCNC細胞のCell cycleには影響を与えていないことがわかった。ところがLef-1ノックアウトマウスでは歯胚上皮のアポトーシス活性が著しく上昇していた。このことがLef-1ノックアウトマウスの歯胚の成長を妨げている要因と考えられた。(IADR. 2004にて発表)
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