2002 Fiscal Year Annual Research Report
結晶性高分子とグラフト化超微粒子とのナノ複合体の合成と環境応答機能
Project/Area Number |
01J07127
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
陳 進華 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / ブロックコポリマー / 放射線照射 / 表面グラフト / ナノ複合体 / 分散性 / センシング機能 / 分子量制御 |
Research Abstract |
前年度,申請者は,結晶性ポリマーグラフトカーボンブラックから作成したナノ複合体の抵抗値は,各種溶媒蒸気中で急激に増大し,新規のセンサーとして利用できることを見出した。 本年度の研究目的は,結晶性ポリマーグラフトカーボンブラックから作成したナノ複合体による常温で機能する新規ガスセンサー,臭いセンサー,さらに溶質センサーの創製である。 その結果,本年度は以下のような研究成果が得られた。 1.カーボンナノチューブ表面への結晶性ポリマーの放射線グラフト カーボンナノチューブ表面への各種の結晶性ポリマー,及びブロック共重合体の新規グラフト反応を検討した結果,結晶性ポリマーを吸着させたカーボンナノチューブにγ線を照射することにより,カーボンナノチューブ表面へ容易に結晶性ポリマーをグラフトできることを明らかにした。 2.ポリマーグラフト化カーボンナノチューブからのナノ複合体の創製 結晶性ポリマーをグラフトしたカーボンナノチューブは容易にマトリックスとなる結晶性ポリマー中へ均一に分散し,ナノオーダーでの複合化が可能であることを明らかにした。 3.カーボンナノチューブナノ複合体のセンシング機能 カーボンナノチューブナノ複合体のガスセンシング機能を追跡し,結晶性ポリマーの構造やブロック共重合体のポリマー組成及び分子量が,センサー感度に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。ブロック共重合体のブロック組成を制御することにより,カーボンナノチューブナノ複合体は,NOxなどの有害ガス,ベンゼンなどの有機溶媒蒸気,含ハロゲン化合物,さらには,溶液中の有機溶媒,重金属,生理活性物質などのセンシングが可能であることを見出した。 4.センシング機能究明 このようなカーボンナノチューブナノ複合体のガスセンシング機構は,グラフト鎖やマトリックスポリマーが溶媒等を吸収したときに起こる,僅かな結晶構造の変化によることを究明した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] J.Chen: "Vapor response properties of conducting compsite prepared from crystalline oligmer-grafted carbon black"Carbon. 40. 1602-1605 (2002)
-
[Publications] N.Tsubokawa: "Grafting of polymers onto a carbon-fiber surface by ligand exchange reaction of poly(vinyl ferrocene-c-vinyl monomer) with polycondensed aromaic rings of the surface"J. Polym. Sci. : Part A : Polym. Chem. 40. 1868-1875 (2002)