2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J07198
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
梶間 みどり 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | イギリス / 地方教育行政改革 / 教育発展計画 / 行政評価 / ベスト・バリュー / ニュー・パブリック・マネジメント |
Research Abstract |
本研究は、「ニュー・パブリック・マネジメント(新公共経営)」の理念に基づき、3E(経済性、効率性、効果性)などの観点を重視して進められているイギリスの教育行財政改革を手がかりとして、新しい時代に対応した地方教育行政の在り方を考察することを目的としている。 本年度の実績の概要は下記の通りである。 1.現在の教育行財政改革の理論的基盤となっている「ニュー・パブリック・マネジメント(新公共経営)」や「ベスト・バリュー」などの理論の文献研究を行い、文献一覧を作成した。 2.地方自治体連合提供の資料、及びインターネット等を活用した資料収集、現地調査等から、地方教育当局の組織構造や活動内容などを明らかにすることができた。 3.昨年度収集した「教育発展計画」と本年度収集した地方自治体の組織及び活動に関する資料を分析することにより、地方教育当局が認識する「行政の役割」とそのための「行政経営」の組織及び仕組みについてまとめることができた。 4.平成14年5月に訪英した際に、全英学校長会(National Association of Head Teachers, NAHT)に出席し、校長への聞き取り調査を行うことができた。その結果、学校が持つ、地方教育当局と学校の関係や、求められる地方教育当局の役割に関する意識を知ることができた。 以上のことを通して、「支援」という地方教育当局の役割を、効果的、効率的、経済的に具体化するための改革が地方教育当局内で進められている実態が明らかとなった。その実態とは、第1に戦略的な計画の立案、第2に行政組織間のネットワークの形成、第3に民間や保護者などの利害関係者とのパートナーシップの形成である。 本年度は、このような行政改革を進めるための行政職員の職能発達を支援する組織として創設された、Virtual Staff Collegeに焦点を当てた研究成果を、日本教育行政学会(平成14年10月、東京都立大学)で発表した。
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