2003 Fiscal Year Annual Research Report
バイオインフォマティックスに基づくイネの胚乳細胞壁多糖の機能解析とその応用
Project/Area Number |
01J07529
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
鈴木 潔 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | バイオノンフォマティックス / 植物生理学 / 糖質科学 / ゲノミックス / 細胞壁 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
UDP-グルクロン酸からUDP-キシローズを生成するUDP-グルクロン酸デカルボキシラーゼと推定される遺伝子について、二種類クローニングすることに成功し、これらの配列をGenbankに登録した。これらの遺伝子についてタンパク質の発現および機能解析を行った。その結果、一方の遺伝子に関して大腸菌で大量に発現することに成功し、クローニングした遺伝子がUDP-グルクロン酸デカルボキシラーゼであることを同定した。この結果は単子葉植物(イネ科)において初めて明らかにしたものであり、Journal of Experimental Botanyにおいて公表された。 もう一つは、様々な発達段階のタケ節間組織におけるヘミセルロースおよびペクチンの分布を組織レベルおよび微細構造レベルで示した報告についてである。節間の発達段階を三種類に分類し、phase I :一次壁、phaseII :未木化二次壁、phase III :木化二次壁とした。(1→3,1→4)-β-グルカンは節間が活発に伸張する時期に、ほとんど全ての組織に分布していた。しかし、微細構造レベルでのβ-グルカンの分布は一次壁や細胞間層および師部の未木化二次壁に制限された。高分岐したキシランはphase I初期におけるほとんど全ての組織において局在していたが、木化直前に全ての組織において消失した。これと対照的に、低分岐のキシランはphase Iでは原生木部にのみ存在していたが、phase IIになると木化直前の全ての組織で観察された。さらにphase IIIでは木化細胞壁において特に多量に局在していることがわかった。メチルエステル化されたペクチンはphase I初期の全ての組織に存在していた。また、木化直前からはメチル化に関わらずにペクチンは師部と原生木部にしか局在しなかった。キシログルカンは主に師部と木化組織に分布していた。これらの結果は単子葉植物(イネ科)の一次および二次壁形成に伴って初めて明らかにしたものであり、HistochemicalJournalにおいて公表された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suzuki K, Kitamura S, Sone Y, Itoh T.: "Immunohistochiemical localization of hemicelluloses and pectins varies during tissue development in the bamboo culm."Histochemical Journal. 34・11-12. 535-544 (2003)
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[Publications] Suzuki K, Suzuki Y, Kitamura S.: "Cloning and expression of a UDP-glucuronic acid decarboxylase gene in rice."Journal of Experimental Botany. 54・389. 1997-1999 (2003)