2002 Fiscal Year Annual Research Report
テレビゲーム等ニューメディアの学校不適応への効果的な使用法の検討
Project/Area Number |
01J07646
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
木村 文香 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | テレビゲーム / 小学生 / 中学生 / 高校生 / インタビュー |
Research Abstract |
今年度の研究の目的は、小学校、中学校、高校に通う児童・生徒を対象としたインタビュー調査から、テレビゲームの遊び方について全般的に探り、その実態を明らかにすることであった。報告に際して、(1)利用全般、(2)集団の中でのテレビゲーム、(3)一人遊びの時のテレビゲーム、(4)家庭の中でのテレビゲームに着目した。 方法:小学生から高校生までを対象とした半構造化面接。調査対象者は、小学生29名、中学生25名、高校生20名であった。 結果と考察:(1)小学生では最も一般的な遊びであった。発達に伴って好みが明確になり、テレビゲームを契機とした新たな仲間を得る生徒もみうけられた。使用量は全体的に自制的で、また発達に伴う使用量減少の理由として、部活や勉強による遊び時間全体の減少と、テレビゲーム以外の娯楽を見つけたという理由が挙がっていた。(2)家に大勢で集まったときのテレビゲーム遊びは定番であるようだが、全ての年齢層における必須アイテムではなさそうであった。小・中学男子では、テレビゲームが学校で話題になることも多く、テレビゲームの占める位置も女子より高くなっていた。女子にとっては、テレビゲームが複数のコミュニケーション媒体のうちの一つにすぎないことが示唆された。(3)小学生のテレビゲーム一人遊びは消極的な動機によるが、中・高生は、積極的な動機に依拠していた。同じ種類のソフトでも、同時的なコミュニケーション媒体として用いる場合と、そうでない場合があるようだ。また、ストレス解消=アクション、シューティングといった、気分による使い分けもなされていた。(4)家族がテレビゲームを始めた契機の一つとなっていることが示唆された。家族とのテレビゲーム遊びも多いが、時間については、父親か母親のいずれかがブレーキの役割を果たしていた。内容についてまで、親の監督下においている家庭は非常にまれであった。
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