2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J07663
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
福島 裕敏 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 不登校 / 学校文化 |
Research Abstract |
本年度当初に掲げた課題は以下の三つであった。1)文部省学校基本調査と社会経済指標にもとづく、戦後不登校の歴史的変化の解明。2)元漁村地域地区中学校の学習指導要録の収集と分析。3)アンケートにもとづく学校ごとの性格の違いと不登校の関連性。 1)については、データ・モデルの不備の指摘を受けたため、論文とはなっていない。データ入力はほとんど終了しているため、2004年秋頃をめどに論文化をはかりたい。 2)では現地に足を運び、学習指導要録の調査の実現を試みたが、先方の判断で実現できなかった。ただし、1950年代の貴重な資料が発見され、当時の生活を知る手がかりを得た。残念ながら、この点についてもまとまった成果を示すことができなかったが、現在も調査対象地との関係を保っており、再度挑戦したいと考えている。 「11.」に掲げた上位三つ論文は、3)の成果でもある。一番目の論文では「親密性」と「信頼」が現代の子ども・学校にとって重要な要素になっていることを示した。二番目・三番目の論文では、全国データをもとに現代の子どもの生活を学校・家族・情報消費文化の三つの領域から捉え、相互の関係を考察した。今後は、上記で得られた知見をもとにして学校ごとの集計を試み、今夏に調査報告書に執筆予定である。 本年度をもって特別研究員の資格はなくなるが、今後もこの課題意識に沿いながら研究を進め、成果に結びつけていきたい。その際、3)の現代の子ども・学校の様相と2)の歴史的様相とを視野に入れつつ、学校文化の社会学的分析をおこなっていく必要があると考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 福島裕敏: "まとめにかえて(第2章「土佐の教育改革」における「開かれた学校づくり」)"教育改革の総合的研究(高知・犬山調査報告集). 119-125 (2003)
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[Publications] 福島裕敏, 久冨善之: "全国調査からみた高知・犬山の小・中・高校生"教育改革の総合的研究(高知・犬山調査報告集). 309-327 (2003)
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[Publications] 山田哲也, 福島裕敏: "子ども・若者は現代の生活と学校をどう生きているか"教育改革の総合的研究(最終報告書). (未定). (2004)
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[Publications] 村越純子, 福島裕敏: "1920年代後半から30年代における教育人口動態-初等後教育の需給とその社会的機能の視点から-"社会変動と教育実践・教育学構造に関する社会史的研究-総力戦体制期の社会と教育-. (未定). (2004)