2002 Fiscal Year Annual Research Report
移民エスニシティの長期的変容と現在:歴史社会学的理論枠組による検証
Project/Area Number |
01J07665
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
南川 文里 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | エスニシティ / 移民 / 日系アメリカ人 / エスニック・スタディーズ / 人種エスニック関係 |
Research Abstract |
平成14年度の前半は、昨年度に引き続き、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校(UCLA)のアジア系アメリカ人研究センター(Asian American Studies Center)に客員研究員として滞在し、現地調査に従事した。調査は、(1)20世紀前半の日系移民エスニシティの形成 (2)戦後の日系アメリカ人およびエスニック・マイノリティの状況、 (3)現代の日本人滞在者のライフスタイルに関するフィールドワーク をテーマに行われた。また、滞在中に、現代アメリカのエスニック状況を批判的に考察する論文「アメリカの人種エスニック編成とアジア系移民」を宮島喬・梶田孝道編『マイノリティと社会構造』(東京大学出版会)に発表した。9月に帰国した後は、主に調査の成果について各学会で報告した。まず、(1)に関して、ロスアンジェルスのリトルトーキョー地区の形成と人種関係との関連について日本移民学会大会(12月)にて報告した。(2)については、1960年代以後のアメリカにおけるエスニック研究の位置づけをアメリカ史研究会例会(12月)で、さらに現代のロスアンジェルスにおける移民の流入とアンダークラスの再編に関して関東社会学会例会(15年1月)で報告した。そして(3)については、LA在住日本人若者層を対象にした調査の成果を日本社会学会(11月)にて報告した。平成15年度は、各学会での報告を論文化して議論を精緻化させるほか、アメリカ合衆国のエスニシティ理論を総括し、各地域の比較研究のための理論枠組を提案する予定である。
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Research Products
(1 results)