2003 Fiscal Year Annual Research Report
米国統治下の沖縄における基地社会の形成と社会運動の展開に関する研究
Project/Area Number |
01J07696
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
鳥山 淳 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 沖縄 / 占領 / 基地 / 米軍 / 琉球政府 |
Research Abstract |
今年度は、沖縄県公文書館が米国で収集を継続している「USCAR(琉球列島米国民政府)文書」について、関連史料の調査・収集を続行した。そのうち昨年度からの継続作業としては、初期軍政(〜1950年)の基礎史料となる琉球民政課文書や、USCAR(1950年12月発足)のGeneral Administrative Fileなどから、基地建設に伴う社会変容や住民運動に関する報告書を選別し、収集した。米統合参謀本部(JCS)文書からは、日本本土を含めた基地建設に関連する記録を得ることができた。それらに加えて、今年度から新たに公開が始まった「フライマス・コレクション」(米民政官が所有していた個人資料)の調査に重点を置き、行政文書・報告書・軍発行のパンフレット、米議会議事録からの抜粋、日米双方の雑誌記事など、他の史料群には見られない貴重な記録を利用することができた。また、宮古群島の動向については平良市総合博物館で、1953年まで米国統治下にあった奄美群島については名瀬市と鹿児島市の図書館において、それぞれ史料収集を行った。 それと同時に、沖縄で基地建設が展開される時期(1950年代)に焦点をあわせて、同時期の日本本土における米軍基地の動向を把握するため、いくつかの地域に関して史料の調査・収集を行った。とくに、米軍の内灘演習場が建設された石川県、海兵隊のキャンプが設置された岐阜県・滋賀県・静岡県・伊丹飛行場が建設された大阪府と兵庫県、朝鮮戦争の出撃基地となった福岡県については、現地の図書館において関連史料の調査、収集を行った。その成果として、市町村史や写真集・資料集・新聞記事など、日本本土における米軍基地問題が沖縄との関係でどのように変化しでいったのかを記述するうえで、重要な記録を得ることができた。
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Research Products
(2 results)