2002 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピン人移住労働者の職業経歴と送出/受入れ地域の変容
Project/Area Number |
01J07781
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高畑 幸 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | コミュニティ / 海外出稼ぎ / 地場産業 |
Research Abstract |
本年度は、日本国内およびフィリピンでの数量調査を行った。 日本国内では、フィリピン人が特に集まって住む地域として、名古屋市中区栄地区を調査地に選んだ。平成14年6月から数回にわたり栄地区を訪問し、中区役所、町内会組織、そしてフィリピン人の自助組織とのコンタクトをとり予備調査を行った。また、6月には東南アジア史学会中部例会(於・名古屋大学)で、名古屋のフィリピン人組織と日本人住民との関わりについての報告を行った。ここで、名古屋で外国人問題を研究する研究者および市民団体から研究への協力と助言を得た。中区役所や町内会組織からも協力を得ることができた。 平成14年8月5日に選挙人名簿からのサンプリングを行い、500人の調査対募者を抽出した。9月14日から17日にかけて、あらかじめ郵送しておいた調査票を各戸訪問の形で回収した。最終的に、194票(38.8%)が回収できた。現地で集計結果のパソコン入力を行い、10月4日に現地の町内会に結果速報を報告した。外国人が多く住む栄の日本人住民は、外国人の増加により治安が悪化したとの懸念が強い。しかし、一方で、3分の2が外国人の町内会参加を歓迎するといった、地域での「共生」の態度が数字に現れた。 その後、平成15年3月14日に、名古屋の市民団体「田中宏先生を囲む学習会」に招かれ、栄でのアンケートの結果を報告した。この報告については、3月14日付の中日新聞朝刊でも報道された。 フィリピンでは、平成15年1月3日から6日にかけて、マニラ市トンド地区のバランガイ117で数量調査を行った。調査項目は、昨年度ラグナで行ったものと同じで、住民の海外就労への意識やコミュニティ意識をたずねた。400票配布し、272票(6896)回収した。現地で集計結果のパソコン入力を行い、速報値を地域役員に報告した。 また、平成15年1月11日に、ケソン市にあるエンターテイナーの研修所でも同様の数量調査をした。その場にいた32人の(日本での就労に向け待機中の)エンターテイナーに調査を行った。 マニラとエンターテイナーの調査を通じ、特定親族内で世代連続的に海外就労者を送出しているとの知見が得られた。
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Research Products
(1 results)