2002 Fiscal Year Annual Research Report
昼側カスプ領域のプロトンオーロラと太陽風流入・イオン流出過程の研究
Project/Area Number |
01J08119
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 直文 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロトンオーロラ / カスプ領域 / 夕方側 / 太陽風 / 磁気圏 / 電離圏 / 光学観測 / プラズマ交流 |
Research Abstract |
平成12年度にカスプ領域にあたるスバールバルに設置された地上プロトン全天イメージャーを用いて、定常光学観測を引き続き実施した。今年度は、PCリモートコントロールシステムを実用化させることにより、5日分の良好なデータを取得することができた。このような地上光学観測データを用いたローカルなプロトンオーロラ微細構造の解析に加え、グローバルなプロトン・エレクトロンオーロラ画像データの解析手法を確立した。具体的には、IMAGE衛星に搭載された紫外オーロライメージャー(カリフォルニア大・バークレー校)によって撮像された極域全体のプロトン・エレクトロンオーロラ画像データ及び地上HFレーダー網(通信総合研究所)によって導出された電離圏プラズマ対流パターンに、Tsyganenko 96地球磁場モデルを適用し、これらのデータを磁力線に沿って磁気圏に投影することによってオーロラソース領域を3次元的に可視化する磁気圏リモートセンシングを開発した。この磁気圏リモートセンシング手法を用いることにより、惑星間空間磁場南転に伴うカスプ領域へのプラズマ流入、太陽風動圧の急激な増減に伴う磁気圏前面から電離圏へのプラズマの降り込み、サブストームの発達過程、極冠域オーロラの発達過程、の特徴を複数のイベントについて明らかにした。さらに、惑星間空間磁場南転によって引き起こされた磁気圏夕方側領域の顕著なプロトンオーロラソース領域と太陽方向高速プラズマ対流の対応関係を明らかにした。その物理メカニズムは以下のように考えられる。惑星間空間磁場南転に伴い、カスプ領域で電場が作り出され、この電場が磁力線を介し磁気圏内部へ浸透する。その結果、磁気圏内部ではExBドリフトによってプラズマ対流が駆動され、プラズマ密度及び圧力の不均一が発生する。このうち、プラズマ高密度・高圧力領域がプロトンオーロラソース領域に対応すると考えられる。
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