2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J08362
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 晴雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニュートリノ |
Research Abstract |
本年度は、昨年度末から始まったカムランド実験のデータ収集および解析を行った。 まず検出器の特性を調べるためにさまざまな放射線源(Ge, Zn, Co, Am/Be)を用いたキャリブレーションを行ない、液体シンチレーター発光量のエネルギー特性や場所依存性の測定を行なった。レーザーを用いたキャリブレーションも行い、光電子増倍管の出力や信号発信のタイミングの測定を行なった。これらの結果を元にして検出器の補正ファクターを決定し、実際の解析に用いた。 次に原子炉起源反電子型ニュートリノイベントの解析を行った。カムランド実験では遅延同時計数法という手段で反電子型ニュートリノを検出する。これはニュートリノ検出を容易にするとともにバックグラウンドイベントがほとんどないという利点をもっている。今回の解析では145.1日分のデータを用いた。その結果検出された原子炉起源反電子型ニュートリノの数が、ニュートリノ振動がなかったと仮定したときに予測される数よりも明らかに少ないことがわかり、その割合は0.611±0.085(stat)±0.041(syst)であった。 さらに粒子と反粒子で相互作用に違いがないと仮定すると(CPT保存)、われわれの結果から、いままで4つあった太陽ニュートリノ欠損問題の解が大混合角解(LMA解)だけ許されるということがいえた。
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Research Products
(1 results)