2002 Fiscal Year Annual Research Report
組織間協働による地域産業創造プロセスの比較事例研究
Project/Area Number |
01J09225
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Research Institution | Kobe University |
Research Fellow |
稲葉 祐之 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 地域(再)開発 / 新規地域産業の創造 / 組織間協働 / 複雑な社会問題の共同解決 / 共同企業家 / 協働モード / 協働の場 |
Research Abstract |
今年度研究実績の概要は以下の通りである。 1.英国内における新規地域産業創造を目指したプロジェクトに関する文献、資料収集およびインタビュー調査。 2.学会発表論文および投稿論文、ワーキングペーパーの執筆・発表。 まず、第一に既存産業の斜陽化、中心市街地の荒廃などが進んでいた地域の再開発プロジェクトに関する文献、資料収集およびインタビュー調査を英国ケンブリッジ大学を拠点におこなった。1980年代、90年代を通じて、英国中央政府の主導の元に設立された都市開発公社(Urban Development Corporation : UDC)がおこなってきた強力なトップダウン型方式による荒廃した都市部の再開発プロジェクトを概観した。その結果、それまでの方式の地域再開発の到達点、および問題点が明らかになった。すなわち強力な開発権限を持ったUDC方式による荒廃地域における再開発のためのインフラ整備の有効性が確認される一方、および持続的な地域再開発を維持するうえで、インフラ整備後に新たな産業を創発させるかあるいは他地域からの導入が必要であるという点が指摘された。次に、地域の企業、地方自治体、非営利法人などのネットワークを通じて新規産業の創造がいかにおこなわれているかについての調査をおこなった。さらに日本での開発事例についての調査もおこなった。 第二に、これらの研究成果についての発表である。まず日本での開発事例についての論文を執筆し、英国エジンバラ大学において開かれた国際学会The Sixth International Symposium in Public Managementおよび米国プリンストン大学において開かれたYoung Scholars' Workshop on Embedded Enterprise in Comparative Perspectiveでそれぞれ14年4月に発表した。そのほかに、日本の学術雑誌への投稿論文を執筆した。本論文は、15年3月現在審査中である。また、15年3月現在英国ケンブリッジ大学での発行されているWorking Paperシリーズに投稿する論文、15年6月に開催される組織間関係についての国際学会で発表する論文を執筆中である。
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